まず確認 ── あなたに必要なのはどっち?
名前が似ているため混同されやすいのですが、「銃砲所持許可」と「狩猟免許」はまったく別の制度です。銃を使って狩猟をするには両方が必要です。
銃砲所持許可
「銃を持つこと」への許可。銃刀法に基づき、公安委員会(警察)が審査します。最初の関門は猟銃等講習会(初心者講習)の考査。標的射撃だけならこちらだけで始められます。
狩猟免許
「狩猟をすること」への免許。鳥獣保護管理法に基づき、都道府県知事が実施する試験に合格して取得します。銃猟(第一種・第二種)とわな猟・網猟の区分があります。
銃砲所持許可とは
日本では、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)により銃の所持は原則禁止されており、狩猟・標的射撃・有害鳥獣駆除などの用途に限って、都道府県公安委員会の許可を受けた人だけが所持できます(銃刀法第4条)。申請の窓口は住所地を管轄する警察署の生活安全課です。
許可は「猟銃を持ってよい」という包括的なものではなく、銃1丁ごとに、その銃を特定して受けるものです。許可証には銃の種類・口径・製造番号が記載され、記載された銃以外は所持できません。
初めての人はまず散弾銃または空気銃からのスタートになります。ライフル銃は原則として「散弾銃を継続して10年以上所持した人」でないと許可されません。
取得の流れ(全体像)
猟銃(散弾銃など)の場合、大きく「講習 → 射撃教習 → 所持許可申請」の3段階です。空気銃のみの場合は射撃教習が不要で、講習の修了後にそのまま所持許可を申請できます。
第1段階 ── 初心者講習
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猟銃等講習会(初心者講習)に申し込む
管轄の警察署または都道府県警察のサイトで日程を確認して申し込みます。開催は年に数回程度で定員があるため、早めの申し込みが肝心です。
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講習を受け、考査(筆記試験)に合格する
法令や銃の使用・保管等の取扱いに関する講習のあと、○×式の考査があります(詳しくは次の章)。合格すると「講習修了証明書」が交付されます。
講習修了証明書の有効期間: 3年
第2段階 ── 射撃教習(猟銃のみ。空気銃は不要)
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教習資格認定を申請する
警察署に申請書・医師の診断書・経歴書・同居親族書などを提出し、公安委員会の審査(概ね1〜2か月)を受けます。通ると「教習資格認定証」が交付されます。
教習資格認定証の有効期間: 3か月 -
公認射撃場で射撃教習を受ける
教習用の火薬類譲受許可を取ったうえで、指定射撃場で実技の教習を受けます。合格基準は施行規則で全国共通に定められており、クレー射撃のトラップは25枚中2枚以上、スキートは25枚中3枚以上の破砕です。合格すると「教習修了証明書」が発行されます。
教習修了証明書の有効期間: 1年
第3段階 ── 所持許可の申請と銃の受け取り
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保管設備を用意し、銃砲店で銃を決める
基準を満たすガンロッカーと装弾用の保管庫を設置します。所持許可は銃を特定して申請するため、先に銃砲店で銃を決めて「譲渡等承諾書」を発行してもらいます。
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所持許可を申請する
申請書・譲渡等承諾書・各種証明書・診断書・住民票などを警察署へ提出します。近隣や職場への聞き込みを含む身辺調査があり、審査には1〜2か月程度かかることが多いです。
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許可証の交付 → 銃の受け取り → 警察で確認
許可が出たら銃砲店で銃を受け取ります。許可を受けた日から3か月以内に受け取らないと許可は失効し(銃刀法第8条)、受け取った日から14日以内に警察署で銃の確認を受ける義務があります(銃刀法第4条の4)。
初心者講習と考査(最初の筆記試験)
所持許可への最初の関門が、猟銃等講習会(初心者講習)の最後に行われる考査です。講習は1日で、たとえば埼玉県警察の案内では「法令 3時間・猟銃及び空気銃の使用、保管等の取扱い 2時間」という構成です。
| 出題形式 | ○×(正誤)式・50問 |
|---|---|
| 合格の目安 | 45問以上の正解(9割)※基準点を公表していない都道府県が多く、運用が異なる可能性があります。9割を確実に超える準備をおすすめします。 |
| 出題範囲 | ① 猟銃・空気銃の所持に関する法令 ② 猟銃・空気銃の使用、保管等の取扱い |
| 不合格の場合 | 次回の講習会から再受験できます(講習の受け直し) |
年齢と欠格事由
銃刀法は、許可を出せない事由(欠格事由)を細かく定めています(第5条・第5条の2)。主なものを挙げます。
| 年齢 | 猟銃(装薬銃)は20歳以上・空気銃は18歳以上政令で定める競技推薦を受けた人は、猟銃18歳・空気銃14歳までの例外があります。 |
|---|---|
| 破産 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人は許可されません(復権すれば解消します) |
| 心身の状態 | 統合失調症・そううつ病・てんかん等の一定の病気、アルコール・薬物の中毒など(申請時に医師の診断書を提出します) |
| 犯罪歴・素行 | 一定の刑に処せられてから所定の年数を経過しない人、暴力団関係者、DV・ストーカー加害で命令を受けた人など |
| 過去の取消し | 所持許可を取り消されてから5年を経過しない人 |
| そのほか | 住所不定の人、他人に危害を及ぼすおそれがあると認められる人など。審査では同居親族の状況や近隣への聞き込みも行われます |
※正確な要件は銃刀法第5条・第5条の2をご確認ください。個別の事情に当てはまるかどうかは、管轄警察署の生活安全課に相談するのが確実です。
費用の目安
手数料は都道府県により多少異なります。以下は猟銃(散弾銃)を新規取得する場合の目安です。
| 初心者講習会の手数料 | 約6,900円埼玉県警察の案内では6,900円 |
|---|---|
| 教習資格認定の申請 | 約8,900円 |
| 医師の診断書 | 約3,000〜5,000円 |
| 射撃教習の受講料 | 約30,000〜50,000円 + 弾代 約3,000〜5,000円射撃場によって大きく異なります |
| 猟銃用火薬類等譲受許可 | 約2,400円 |
| 所持許可の申請 | 約10,500円(新規・1丁あたり) |
| ガンロッカー | 約20,000〜80,000円構造・施錠・固定などの基準があります |
| 装弾の保管庫 | 約5,000〜15,000円銃とは別に施錠保管します |
| 銃本体 | 約10万〜200万円以上中古の散弾銃は10万円台から。競技銃は高額 |
取得後に守る期限の早見表
所持許可の制度は「期限を1つ落とすとやり直し」が多いのが特徴です。考査でもよく問われる数字です。
| 講習修了証明書 | 有効期間 3年 |
|---|---|
| 教習資格認定証 | 有効期間 3か月(この間に射撃教習を修了) |
| 教習修了証明書 | 有効期間 1年(この間に所持許可を申請) |
| 銃の受け取り | 許可を受けた日から3か月以内。過ぎると許可が失効(銃刀法第8条) |
| 警察での銃の確認 | 受け取った日から14日以内(銃刀法第4条の4) |
| 所持許可の有効期間 | 許可を受けた日から3回目の誕生日が経過するまで(銃刀法第7条の2) |
| 更新の申請 | 有効期間の満了日の2か月前から1か月前までの間だけ。過ぎると原則失効 |
| 年1回の検査 | 警察署による銃砲の一斉検査(保管状況の確認)があります |
最近の法改正(令和6年・7年)
銃刀法は令和6年に大きな改正があり、令和6年7月と令和7年3月に順次施行されました。試験対策としても実務としても重要な変更点です。
- 使わない銃(眠り銃)の取消しが「3年不使用」から「2年不使用」に短縮(令和7年3月施行)。
- ハーフライフル銃がライフル銃として再分類。取得には散弾銃等の10年以上の継続所持が原則必要に(既所持者には経過措置あり)。
- 電磁石銃(コイルガン等)が「銃砲」として明確に規制対象に。所持には許可が必要。
- 実包(弾薬)の管理帳簿の記載事項を拡充(散弾と単弾の区別など・令和7年3月施行)。
- SNS等で銃の不法所持をあおる行為への罰則を新設(令和6年7月施行)。
※詳細は警察庁の「銃刀法が改正されました」ページ(出典参照)をご確認ください。
よくある質問
所持許可と狩猟免許、どちらを先に取ればいいですか?
決まりはありませんが、どちらも取ると決めているなら並行して進める人が多いです。所持許可は審査に時間がかかる(半年以上かかることも)ため、先に初心者講習へ申し込んでおくと全体が早く進みます。狩猟免許の日程は狩猟免許の受験ガイドをご覧ください。
考査に落ちたらどうなりますか?
次回の講習会から受け直しになります。開催が年数回しかない地域では数か月待つことになるため、1回で通るに越したことはありません。
空気銃だけを持ちたいのですが、流れは同じですか?
射撃教習(第2段階)が丸ごと不要になります。初心者講習の考査に合格したら、保管設備を用意して所持許可を申請する流れです。年齢要件も18歳以上と猟銃より低くなっています。
家族が同居していても取れますか?
取れます。ただし申請時に同居親族書を提出し、審査では同居家族の状況も確認されます。家族の理解を先に得ておくことは、審査のうえでも保管管理のうえでも大切です。
更新を忘れるとどうなりますか?
更新の申請は「満了日の2か月前から1か月前まで」の間しかできず、過ぎると原則として許可が失効します。失効すると銃を持ち続けられなくなり、再取得には大きな手間がかかります。満了日(3回目の誕生日)から逆算して、3〜4か月前には経験者講習などの準備を始めるのが安全です。
考査の対策には「猟銃許可トールEX」
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出典・参考(公的機関)
- 銃砲刀剣類所持等取締法(e-Gov法令検索) ── https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000006
年齢・破産等の欠格事由(第5条・第5条の2)、14日以内の確認(第4条の4)、有効期間(第7条の2)、失効(第8条)は本条文で確認しています。 - 警察庁「銃刀法が改正されました」 ── https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/r6jutohokaisei/index.html
- 埼玉県警察「講習会開催のお知らせ(猟銃等・初心者講習)」 ── https://www.police.pref.saitama.lg.jp/c0050/shinse/ju-kousyu1.html
講習の時間割(法令3時間・取扱い2時間)と手数料6,900円の例として参照。