この資格で法律上できること
「介護福祉士」とは、介護福祉士登録簿への登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって介護等(喀痰吸引その他の医師の指示の下に行われる行為を含む)を業とする者をいう(社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項)。介護福祉士でない者は介護福祉士の名称を使用してはならず(第48条第2項)、違反者は30万円以下の罰金に処される(第53条第3号)。誠実義務(第44条の2)、信用失墜行為の禁止(第45条)、秘密保持義務(第46条、違反は1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金・告訴罪、第50条)等が課される。
この資格で法律上できること
- 「介護福祉士」の名称を用いて業務を行える(第2条第2項・第48条第2項)
- 身体上又は精神上の障害により日常生活に支障がある人に、心身の状況に応じた介護(介護等)を行える(第2条第2項)
- 医師の指示の下、喀痰吸引その他の行為(喀痰吸引等)を、別途の登録・研修を経て行うことができる(第2条第2項かっこ書、第48条の3)
- 対象者や家族に対して介護に関する指導を行える(第2条第2項)
- 認知症の状態等に応じ、福祉サービス関係者等と連携して支援を行う(第47条第2項)
根拠条文
-
社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号) 第2条第2項
「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって介護等(喀痰吸引等を含む)を業とする者をいう。
e-Govで条文を見る -
社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号) 第48条第2項・第53条第3号
介護福祉士でない者は介護福祉士という名称を使用してはならず、違反した者は30万円以下の罰金に処する(名称独占)。
e-Govで条文を見る -
社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号) 第44条の2・第45条・第46条・第47条第2項・第47条の2
誠実義務、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務(第46条違反は第50条により1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)、連携、資質向上の責務を定める。
e-Govで条文を見る -
社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号) 第48条の3・第53条第4号
喀痰吸引等業務を行うには別途の登録が必要で、無登録で行った者は30万円以下の罰金に処する。
e-Govで条文を見る
就く仕事・職場
就く仕事・職場
-
介護保険施設(特別養護老人ホーム等の入所施設)介護保険サービスの提供施設で介護等の業務に従事する。 出典
-
訪問介護・通所介護等の在宅サービス事業所利用者宅や通所施設で介護等の業務に従事する。 出典
厚労省 job tag の職業ページ
数字で見る(公的統計)
| 項目 | 施設介護員 | 訪問介護員/ホームヘルパー |
|---|---|---|
| 就業者数(全国) | 1,358,960人出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成 | 275,770人出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成 |
| 賃金(年収・全国) | 388万円出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 | 381.9万円出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| 労働時間(月間・全国) | 162時間出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 | 163時間出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| 平均年齢(全国) | 45.3歳出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 | 51.2歳出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| ハローワーク求人賃金(月額・全国) | 22.5万円(令和7年度)対前年度差 +0.7万円 | 24.5万円(令和7年度)対前年度差 +0.8万円 |
| 有効求人倍率(全国) | 2.96倍(令和7年度)1人の求職者に対して求人が多い=人手不足の目安 | 28.37倍(令和7年度)1人の求職者に対して求人が多い=人手不足の目安 |
年齢別の賃金(令和7年度)
| ~19歳 | 250万円 |
|---|---|
| 20~24歳 | 316万円 |
| 25~29歳 | 358万円 |
| 30~34歳 | 384万円 |
| 35~39歳 | 414万円 |
| 40~44歳 | 414万円 |
| 45~49歳 | 414万円 |
| 50~54歳 | 416万円 |
| 55~59歳 | 394万円 |
| 60~64歳 | 366万円 |
| 65~69歳 | 315万円 |
| 70歳~ | 292万円 |
job tag の統計データは、その職業が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類)に対応する値であり、必ずしもその職業のみの数値ではない。(この数値は職業分類「施設介護員」の値)
出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)(取得日:2026-09-01)
求人の数字の読み方
有効求人倍率は、ハローワークの求職者1人あたりの求人数を示す指標です(1を超えると求人が求職者より多いことを意味します)。
求人賃金は、ハローワーク求人票に記載された月額の平均値で、賞与・残業代の扱いは求人票によって異なります。
いずれも職業分類単位の全国値であり、地域・企業規模・雇用形態によって数値は異なります。
現場で実際に起きている事故・ミス
介護事故の3件に2件は転倒・転落・滑落
消費者庁から厚生労働省老健局に報告された重大事故276事例(平成30年3月公表の調査研究事業報告書による分析)のうち、転倒・転落・滑落が181件・65.6%で最多、次いで誤嚥・誤飲・むせこみが36件・13%であった。傷病の内訳は骨折70.7%、死亡19.2%。転倒・転落181事例の発生時業務は「見守り中」が46.7%を占めた。
合格後に守ること:見守り中・他利用者介助中など観察が手薄になる場面での転倒対策(環境整備・見守り体制の確保)が事故防止の要点となる。
公益財団法人介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(平成30年3月、厚生労働省老健局・老人保健健康増進等事業)
介護者自身の腰痛(労災)と「抱きかかえ」の原則禁止
厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」(平成25年6月改訂)は、福祉・医療分野等における介護・看護作業を適用対象に加え、移乗介助・入浴介助・排泄介助での対象者の人力による抱上げは労働者の腰部に著しい負担がかかるとして、全介助が必要な対象者にはリフト等を積極的に使用し、原則として人力による抱上げを行わせないことを求めている。
合格後に守ること:対象者の残存機能の活用、リフトやスライディングボード等の福祉用具の使用、無理な前屈・ひねり姿勢を避けることが、介護職員自身の腰痛予防の基本とされる。
喀痰吸引等を無登録で行うと罰則の対象
介護福祉士の「介護等」には喀痰吸引その他の医師の指示の下に行われる行為(喀痰吸引等)が含まれるが(第2条第2項)、これを実施するには別途の登録(認定特定行為業務従事者としての登録等)が必要であり、登録を受けずに喀痰吸引等業務を行った者は30万円以下の罰金に処される(第48条の3・第53条第4号)。
合格後に守ること:介護福祉士の資格があっても、喀痰吸引等の医療的ケアは資格取得だけでは実施できず、法定の追加研修・登録という別の手続を経る必要がある。
資格の階段・関連資格
資格の階段
-
介護等の業務に3年以上従事+実務者研修(6月以上)修了→介護福祉士試験の受験資格社会福祉士及び介護福祉士法第40条第2項第5号 出典
-
介護福祉士試験合格→介護福祉士登録簿への登録→介護福祉士社会福祉士及び介護福祉士法第39条・第42条第1項 出典
-
介護福祉士資格取得後5年以上の実務経験+研修100時間以上→認定介護福祉士認定介護福祉士認証・認定機構による認定要件 出典
-
所定の実務経験を経て介護支援専門員実務研修受講試験を受験→介護支援専門員(ケアマネジャー)都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格(介護保険法に基づく制度) 出典
関連資格
よくある質問
介護福祉士は無資格者と何が違うのですか?
介護福祉士は名称独占資格で、資格のない者は「介護福祉士」を名乗れません(法第48条第2項)。また介護等の定義には喀痰吸引その他の医師の指示の下に行われる行為が含まれ(第2条第2項)、別途の登録・研修を経ればこうした医療的ケアを行える点が無資格者と異なります。
介護福祉士になるには実務経験が必要ですか?
ルートによります。3年以上介護等の業務に従事し、実務者研修(6月以上)を修了すれば受験資格が得られます(法第40条第2項第5号)。このほか、指定の養成施設や学校を卒業するルートもあります(同項第1号〜第4号)。
介護福祉士は喀痰吸引をしてよいのですか?
法律上、介護福祉士の「介護等」には喀痰吸引等が含まれます(第2条第2項)。ただし実際に行うには別途の登録が必要で、無登録で行うと罰則の対象になります(第48条の3・第53条第4号)。
出典・参考(公的機関)
- 社会福祉士及び介護福祉士法(e-Gov法令検索) ── https://laws.e-gov.go.jp/law/362AC0000000030
- 公益財団法人介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(平成30年3月) ── https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/h30_kaigojiko_houkoku_20180402.pdf
- 厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針及び解説」 ── https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mtc_1.pdf
- 認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士になるには」 ── https://www.jaccw.or.jp/nintei/aim/howtobe
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「登録者数の状況」 ── https://www.sssc.or.jp/touroku/tourokusya.html
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「新規登録の申請手続き」 ── https://www.sssc.or.jp/touroku/shinki.html
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)」 ── https://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html
- 神奈川県「介護支援専門員実務研修受講試験及び介護支援専門員実務研修について」 ── https://www.pref.kanagawa.jp/docs/n7j/cnt/f3721/p553169.html
- 公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果について」 ── https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/r06_chousa_01.html